社章の七宝仕上げで色についての解説です

社章は職人の手で一つ一つ丁寧に作られます。型の彫刻から始まり生地のプレス加工、色入れ加工、仕上げ、メッキなど。
様々な工程がございますがその中でも重要な色入れ工程、その色入れ加工の中に伝統工芸技法で七宝焼きがございます。七宝加工は生地の凹部分にガラスの様なエナメルの様な絵具を埋め込む技法ですが社章の色入れでは最も多い加工方法です。そんな七宝仕上げの色について解説させていただきます。

七宝焼きとは

主に金、銀、銅、青銅、鉄などの金属に七宝を盛り800度で焼き上げ仕上げます。社章の場合は色と色との間を線で区切る有線七宝という入れ方になりますが
七宝盛り焼き上げした後にその線が出る位置まで余分な七宝を研ぎ表面を平にして仕上げます。
弊社でお受けしているご注文のほとんどが丹銅生地や純銀生地に対して施しますが稀に純度の高い金への加工もご要望があります。

今では職人の高齢化が目立ち七宝加工が出来る職人が減ってきております。社章を受注している業者様のなかには七宝仕上げのご注文を受けない業者もある位貴重な仕上げとなってしましました。

七宝の色は調色できるのかそれとも決まっているのか?

七宝の色は基本的には決まっております。調色も不可能ではないのですがかなりの分量と調整の時間が必要になる為、弊社ではお受けしておりません。
所有していない色もあるので正確に何色とは言えませんがおよそ100色〜程度になりますのでその中から弊社でご希望に近い色を選んで作成します。

七宝色見本帳

七宝の色は決まっており昔も今も同じ色を入れることができるのが特徴ですが、10年近く前に国内で一番有名な絵具業者がやめてしまった為、その色をご指定頂いた場合は近い色で対応させていただきます。

一度作った社章と同じ色が入れられるのか?

上記でもご説明させていただきました通り、七宝の色は決まっておりますので同じ色を入れる事はほぼ可能ですが、現在生産されていない色、絵具に関しては同じ色を入れる事が難しく、近い色になります。複製の場合は、まずは現物の確認をさせていただき進めさせていただくことになります。

同じ色入れの仕上げで、研ぎエポ仕上げやカラー仕上げがありますが、こちらは調色する方法になりますので若干ですが色が違う場合がございますのでこちら方法に比べると絵具が存在すれば安定したしがりになりますのでその点では長く同じ社章作成出来ると言うことになります。

また、入れる職人の絵具の使い方や表面の研ぎ方などで多少色味が変わってきますのでそこはご理解いただきたいところです。

色によって価格が違う?七宝仕上げの特性とは

七宝仕上げの見積もりを取ると業者さんによっては同じ社章でも色によって価格が変わる場合があります。たとえば、同じ赤でも半透明の赤と不透明の赤では不透明の赤の方が値段が高い場合があります。また地面に施すメッキで金と銀で値段が変わる場合があります。これは、七宝が色によってメッキの酸に弱いものがありまた、メッキの色でも変わってくる為不良が出る組み合わせは単価が高くなる傾向にあります。

このように、同じ七宝仕上げでもデザイン、色数、そして色の種類によって価格が変わる場合がありますので、弊社の価格表は参考価格とさせて頂いておりますので御了承ください。

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